K&Kナイトレースレポート

2004年2月7日(土)@ラジ天名古屋
Driver : K. Fijita
Photo & Report : K. Suda

2004.02.29更新
2004.02.23更新
1. ドライバー決定

TeamOSIONとSudaコラムとの共同開発による23T専用DDツーリング『SV10ベルクート
去年の夏以来1号機開発ドライバーである私(須田)がレースに参加しながら地味に開発/改良してきましたが、ドライバーの腕もありレース結果は振るわず。
マシン性能にはかなりの手ごたえを感じていたが、やはり結果が出ないことにはそれを証明できない。

そこでTeamOSIONでは藤田和芳選手(チーム三河)とスポット契約。
地元のK&Kナイトレースに、完成したばかりの2号機を投入することにした。

藤田選手は平成13年度のSPO全日本優勝、
http://www.jmrca.com/2001all_japan/10ep_tu_sports/10ep_tu_sports_final.html

去年のEXP全日本予選3位(決勝8位)
http://www.jmrca.com/2003all_japan/10ep_touring_exp/10ep_touring_exp04.html

と実績十分。
メーカーサポートを受けていないプライベーターとしては最高の人選だろう。
藤田選手もベルクート1号機は以前にテストしており、そこそこ走ることは確認済み。

逆に藤田選手で結果が出ないと、ベルクート=ダメ車決定。結果が出るとテストドライバー(私)=ヘタレ決定、となりかねない諸刃の剣だ。


2. ベルクート2号機

今回投入されたベルクート2号機

(以下、画像はクリックで拡大します。)

岡田氏(チーム三河)より格安提供を受けたSV10Σをベースに製作され、1号機のサスブロック、アッパーデッキが移植されている。
調整、組み立ては藤田選手本人が行い、メカニック西尾氏の判断でKX-ONE用リアハブ(2度)に変更。
ベルトは耐久性無視の2ミリ幅となっている。
ボディはシェブロン製G350GTを選択。


3. 練習

レース当日、私も取材のために現地入り。
エントリーリストを見ると、HPI、ヨコモ、ALEX他ワークス/サポートドライバーが多数参加。
EXP全日本シード選手が7人と、今回も非常に濃いメンバーとなった。

藤田選手は前回の練習で、ある程度車の動きには満足していたようで、練習は燃費の確認などを行った。

1パック目 : 若干車の動きが重い。切り替えしがタルイ。燃費きついかも?

予選用のモーター(GスタイルT)がけっこう電流食っている様で後半タレ気味。
このときピニオン16/スパー86で5.375。もうすこしローギアにしたいとこですが、ピニオン15だと5.733と低過ぎ。
そこで思い切ってスパーを88に変更することに。
この車は構造上、スパー交換=リア周り完バラだ。

これで16/88の5.5に変更。(DDの為、一次減速のみ)

2パック目 : ギア比変更は正解。路面は良くなるも、まだ切り返しがタルイ。

西尾メカと相談の結果、前後のリバウンドを詰めることに。
(本当はスタビを使いたいとのこと。構造上リアスタビの取り廻しが難しいが。)

3パック目 : リバウンド変更でかなり機敏な動きに。燃費も問題なし。

タイアも32R/エコー赤/ヨコモディッシュに決定。
藤田選手によると『このインナー以外は全然走らん(笑)』らしい。
このパックで練習終了。


4. 予選

迎えた予選1ラウンド目。
このヒートにはエクセル/HPIの上林選手、ヨコモの加藤選手も。

予選1ラウンド目の動画(ASF形式、26.7Mbyte、うまく再生されない場合は対策ページへ)
(藤田選手は1番スタート)

1周目にどアンダー気味、後ろの上林選手が迫りますが、その後挙動が落ち着いてからは非常に安定してました。
(ピニオン緩んでスタートできなかったのは、ベース車両提供の岡田選手。)

その後もノーミスで走りきり、ヒートトップの40周 8:08.778でゴール。
http://www.mylaps.com/results/newResults.jsp?id=32509

この時点でベルクートの自己ベストを大幅更新。
結局1ラウンド目唯一の40周で暫定TQとなった。

この日は非常に寒くグリップ確保に悩む選手も多かったのですが、藤田選手は1周目以外はとくに問題なし。車もなかなかイイ動きで一安心。
予想外の暫定TQに驚く私。本人も暫定TQは出来すぎ!と謙遜。

セッティング変更はなしでそのまま予選2ラウンド目。

予選2ラウンド目の動画(ASF形式、26.5Mbyte)
(藤田選手は1番スタート)

またも1周目にどアンダー(笑)これはベルクートの性格かもしれません。
しかしその後は1ラウンド目より速いペースで絶好調。
周回遅れの処理も非常にうまい藤田選手。またもノーミスでゴール。

結局タイムは40周 8:06.323とさらに更新。
http://www.mylaps.com/results/newResults.jsp?id=32510

平井、吉岡選手が40周に入れてきましたが,見事に藤田選手がTQを獲得した。


5. 決勝

TQ獲得に喜ぶ間もなく,決勝までのインターバルにSudaコラム取材班が用意した『車載カメラ』を搭載。
カメラ&電池で60グラムくらいなので、ウエイト降ろして積み替えます。
ただしこれで重量物がかなり後ろに行った為、決勝の挙動はまったくわからなくなりました。

決勝の模様と動画(別ページになっています)

決勝はスタート直後はカメラ効果もあってペースあがらず、抜かれた吉岡選手を吹っ飛ばしてしまいました。
本人はこの後かなり後ろめたさを感じながら平井選手を追走。
今度は平井選手と接触し、吉岡選手の直後で復帰。
本人は絶対ぶつけられない、と思いながらも吉岡選手に大接近戦。
結局転倒して7位フィニッシュ。

車載カメラにもばっちり映ってますが、吉岡選手とのバトルはかなり見ごたえありましたね。

残念ながら優勝は成りませんでしたが,見ていて非常に面白いレースでした。

TQ獲得でSV10ベルクートの走行性能は十分アピールできたと思います。
アソシ系シャフト車全盛のツーリングカーレースですが、素人の改造ベルト車がワークス勢と互角に走っている姿はなかなか気持ち良かったですね。
(ほとんどドライバーの力ですが)
協力してくれた藤田選手,西尾メカに感謝です。

今後はマシンの大幅モデファイを予定しているので、またそのときはテストドライブを依頼したいですね。

ありがとうございました。


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